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深刻な中国の児童労働者問題


2016年12月15日
澁谷 司


中国には深刻な若年層の労働問題が存在します。同国では、16歳未満を児童労働者と呼び、満16歳から満18歳までを未成年労働者と呼びます。

中国の法律では、満16歳以上でなければ、原則、会社や工場は雇用する事ができません(特殊な演芸・スポーツの場合には、保護者の同意の下、働くことが可能です)。

満14歳以上16歳未満の児童労働者を雇用し、法律に抵触した会社や工場は、雇用者数1人あたり、月5000元の罰金が科せられます。

満14歳以上16歳未満の児童労働者が、仕事中、けがをする、あるいは、死亡した場合、その保護者に対し、賠償金を支払わねばなりません。

同様に、14歳未満の児童労働者が仕事中にけがをする、あるいは、死亡した場合には、まず、その保護者に対し、賠償金を支払います。同時に、雇主には刑事罰が科せられます。

児童労働者は貧困家庭に育ち、学校へ行きたくても行けません。もともと、家庭が苦しいので、彼らは会社や工場へ働きに行きます。

両親は共働きで、遠くの都市や町で働いていることもあります。そのため、両親と子供が一緒に暮らしていない場合もあります。

一般に、児童労働者は朝7時から夜10時まで働きます。しばしば真夜中の2時、3時まで働くこともあります。

1ヶ月最低でも28日働かねばなりません。ですから、「出勤はあっても退社はない」と言われるほど劣悪な労働環境下にいます。

給料は、月1000元から2000元(約1万6000円〜約3万2000円)しかもらえません。ただ、普通、年1度、会社や工場からボーナスが出ます。

雇主は、児童労働者の給料を差し押さえたり、彼らの身分証や銀行カードを預かったりして、彼らが逃げないよう小細工しています。

今年(2016年)4月10日、広東省仏山市南海区の下着工場で約1ヶ月アルバイトをしていた男子児童が、夜、宿舎で睡眠中、突然、意識不明となり、翌朝、亡くなりました。

その児童は、母親と一緒に湖南省から広東省へやって来ました。男の子は家庭を助けようとして、母親と共に同じ工場で働いていたのです。母親の証言では、児童は、工場で1日11〜12時間も働かせられたといいます。

児童は、2001年6月生まれだったので、死亡時、まだ満14歳でした。したがって、同工場は2016年3月5日から2016年 4月10日まで、児童労働者を使用していたので、罰金1万元が科されました。

同月21日、工場と死亡した児童の遺族との間で、15万元(約240万円)の賠償金で和解が成立しています。