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花火大会


2016年10月1日
荒木和博


北朝鮮の若大将は今年に入って次から次へと弾道ミサイルを発射しています。9月までで21発。1発いくらかかるのか知りませんが四尺玉の花火が260万円とのことなので、21発で5460万円。これが弾道ミサイルなら天文学的な金額でしょう。今北朝鮮は大水害で大変な被害が出ているのに「そんなの関係ない」と言わんばかりの大盤振る舞いです。
若大将はそれに留まらず核実験だ、ロケットエンジンの燃焼実験だと、次から次へと刺激的なことをやってくれています。各国共に色々非難はしており、安倍総理も「許し難い暴挙」とか言っていますが、ではどうするのかと言えば何もできません。事実上は「許さざるをえない暴挙」ということなのでしょう。

それにしても日本では「破壊措置命令」常時発令で対処することのようですが、迎撃ミサイルで全てのミサイルを撃ち落とせるのでしょうか。1発でも撃ち漏らせば領土に着弾して何らかの被害が出るはずです。それにどう対処するのでしょう。また、領土の上空で撃ち落としたとしてもその破片は蒸発するわけではありません。迎撃ミサイルの破片とともにバラバラになって落ちてくるわけで、これまた相当の被害が出るはずです。

最初からこけおどしと思っているなら破壊措置命令を出す必要もなく、本当に「許し難い暴挙」で、脅威だと思っているなら国民や自治体に対して緊急時対処のガイドラインでも示すべきでしょう。とりあえず都市には地下街があるのですし、被害ゼロにはできなくても、早急な通知によって少なくすることはできるでしょう。それをやろうとする雰囲気は全くありません。

あらためて考えるとこの国の安全保障というのは結局米国任せで、自分で考えることを止めてきたのではないか。何か方針があったとすれば次第に退こうとしているアメリカの袖を掴んで「残っていただく」ということだったのではないかと思います。あるいは左翼の側も米国がいることを前提とした反米なのかもしれません。

米国の関心があることは安全保障問題、そうでなければ安全保障問題にならないというのは、『防衛白書』に北朝鮮による日本人拉致問題がほとんど触れられていないことでも明らかです。

米国の次期大統領があのどちらかになるという現実を前にして、そろそろ自分の頭で国防について考えるべきではないかと思います。政府も私たちも。