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党名あれこれ


2015年10月15日
丹羽文生

大阪市の橋下徹市長が新しい国政政党を結成しました。党名は自らが代表を務める政治団体「大阪維新の会」の「大阪」を平仮名にした「おおさか維新の会」。「大阪」の漢字を使わないことで、できるだけ地域色を薄め、門戸を広げる狙いがあるようです。
今、国会に議席を有する政党は12あります。中でも「生活の党と山本太郎となかまたち」は、日本憲政史上稀に見る珍名と言われています。
昨年(2014年)12月の衆院選で、政党助成法で定められた「衆議院議員又は参議院議員を5人以上有するもの」との政党要件を失い4人となった小沢一郎代表率いる生活の党が、無所属の山本太郎参議院議員を引き摺り込んで結成された政党で、当初、山本議員は「無所属の会」を提案。ところが「生活」の名前を残したい小沢代表との間で意見が分かれ、結局、妥協案として浮上した「生活の党と山本太郎となかまたち」という長ったらしい党名になったとか・・・。
日本には、これまで「生活の党と山本太郎となかまたち」に勝るとも劣らないユニークな名前の政党が存在しました。「サラリーマン新党」に「スポーツ平和党」、政界進出は叶わなかったものの「UFO党」や「モーター新党」、さらには酢製造会社のオーナーが立ち上げた「日本愛酢党」なる政党(政治団体)も一時期、注目を集めました。
今から60年前の1955年11月15日、日本民主党と自由党との保守合同で「自由民主党」が誕生しました。このネーミングは日本民主党の「民主」、自由党の「自由」を採って合せたものですが、党名決定には随分と苦労したようです。
結成前の10月31日、「新党準備会」の「党名委員会」は「広く国民の協力を得る」として党名を公募で決める方針を固め、11月8日、全国紙に「新党党名募集」の広告を出します。その結果、何と全国から2,000通を超える応募ハガキが集まりました。「日本保守党」や「日本国民党」といったシンプルなものから、皮肉を込めた「民自結託党」、さらには「国連党」や「原子党」なる一風変わったものまでありました。
初めは「日本自由党」が有力視されていました。ところが、これに日本民主党のメンバーが反発。結局、対等合併の建前から「自由民主党」に・・・。
新党を旗揚げする場合、その政党が掲げるポリシーやミッションを、そのまま党名にするのが一般的ですが、余りにオーソドックスな名前では新鮮味に欠けます。逆に聞き慣れない文言を使用すれば世間に馴染みません。党名決定は実に難しいものです。