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ドラゴンボールで描くサウジの文化革命


2024年4月
野村 明史
 Dr .スランプ、ドラゴンボールなど、日本を代表する漫画家鳥山明が今年3月に亡くなりました。
 小学生の頃、毎週ドラゴンボールを見るのが楽しみでした。カメハメ波やスカウターに憧れた子供たちも少なくなかったことでしょう。ドラゴンボールは世界80ヵ国以上で放送され、累計発行部数は2億6000万部を超えるそうです。
 世界各国で、多くのファンが鳥山明の死を悼みました。
 こうした中、3月末に、サウジアラビアがドラゴンボールをテーマにしたテーマパークの建設を計画しているというニュースが飛び込んできました。
 サウジアラビアで計画されている「ドラゴンボール」テーマパークは、「カメハウス」「カプセルコーポレーション」「ビルスの星」など、アニメ「ドラゴンボール」シリーズを再現する7つのエリアで構成されています。
 テーマパークの中央には約70メートルの高さの「神龍」が建てられ、その内部には、大型ジェットコースターの設置も予定されているようです。ホテルやレストランも完備され、訪れる人々は1日中ドラゴンボールの世界観に浸ることができるよう設計されています。
 ドラゴンボールのテーマパークは、サウジアラビアの経済多角化構想の一つ「Qiddiya(キディヤ)」プロジェクトの一環として進められています。
 これはサウジアラビアの首都リヤド近郊で展開されるギガプロジェクトで、ドラゴンボールのテーマパークの他に、F1レーシングトラック、シックス・フラッグスのテーマパーク、ウォーターパーク、サッカースタジアムなどの施設の建設が予定されています。
 キディヤプロジェクトはサウジアラビアの脱石油と国家の将来を賭けた戦略の一環です。
 グローバルサウスという言葉を最近よく耳にするようになりましたが、こうした国々は自国の生き残りやさらなる発展に向けて必死な取り組みを進めています。
 サウジアラビアとドラゴンボール。これまでイスラム教のイメージが強かった同国がどのような変化を遂げるか。しばらく注目を集めそうです。