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小物になった政治家たち


2024年4月
丹羽 文生
 近頃の政治家は小物ばかり…。そんな嘆きの声を耳にするようになりました。確かに昔のように全身からオーラを漂わせる政治家は見当たりません。
 筆者が、これまでに会った政治家の中で最も迫力を感じた人物を上げるとすれば、1度だけ言葉を交わしたことのある石原慎太郎元東京都知事でしょうか。ほんの数分足らずの遣り取りでしたが、あの時の「風圧」は今でも忘れません。
 ハマコー(浜田幸一)のような奇人変人もいなくなりました。政治家の小粒化が進行しているように感じてなりません。
例えば、自民党の派閥による政治資金パーティー券裏金問題。東京地検特捜部による任意の事情聴取に対して、いわゆるキックバックの処理
 「会長案件」だったと供述した安倍派の歴代事務総長による責任逃れには開いた口が塞がりません。直近の会長だった細田博之前衆議院議長も、安倍晋三元首相も故人であり、まさに「死人に口なし」です。
 経費削減のため、選挙の時に「祈必勝」と大書して陣営に贈る「為書」の廃止を決めたのは立憲民主党です。泉健太代表は政治文化を変えると意気込んでいますが、これは身内が亡くなった際に供花を出さないのと同じではないでしょうか。廃止の対象は「党本部が出すもの」に限ってのことだそうですが、みみっちい政治文化と言わざるを得ません。
 共産党もそうです。党首公選の必要性を主張した党員の除名処分、それに反発した地方議員に対する田村智子委員長による党大会という公開の場での吊し上げ。「異論排除」や「上意下達」は古今東西、共産主義政党の「体質」ですが、その度量の狭さには呆れる他ありません。
筆者のところに毎月1回、「『竹下的』カレンダー」なる皇室・政治・経済・外交・社会の3ヵ月先までのスケジュールが記されたカラー版の日程表がメールで送られて来ます。竹下登元首相が先々の政治日程を細かく書き込んだカレンダーを作って政権運営に臨んだことに因んだものだそうで、怪文書紛いではありますが、これが実に面白く、印刷したものを、いつも手帳に挟み込んでいます。
 先日、送られてきた「『竹下的』カレンダー」のサイド欄に「あだ名も貧相になりました」とあり、「コンピュータ付ブルドーザー(角栄)→増税メガネ」、「ワンマン吉田(茂)→塩むすびケンタ」、「バルカン政治家(三木武夫)→恫喝タムトモ」といった政治家のニックネームが並んでいました。「増税メガネ」は岸田文雄首相、「塩むすびケンタ」は立憲民主党の泉代表、そして「恫喝タムトモ」は共産党の田村委員長のことです。
 苦笑するしかありません。それだけ政治家が小物になっているという現実を端的に表しているように感じます。情けない限りです。