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韓国映画は面白いか


2015年4月15日
荒木和博


前の吉野教授のコラムを読んで、「さて、韓国映画はどうだろう」と思いました。それ程沢山観たわけではないので評論家気取りはできませんが、最近のものは少なくともあまり面白いと感じたことはありません。

韓国は映画のクオーター制度というのがあり、年間一定日数は韓国映画を上映しなければなりません。かつてはそうしないと洋画に席巻されてしまうため、韓国映画保護を目的に設定されたものでした。今は観客動員からいっても韓国映画は洋画に遜色ないのですが制度はそのまま続いています。

ところで、面白くないと言ったのは特に戦争映画です。日本で最初に韓国映画としてヒットした「シュリ」はもともと完全な作り話ですから良いのですが、私の観た範囲で言えば「砲火の中へ」「高地戦」「シルミド」「JSA共同警備区域」あたり、どれも実際の話を題材にしてあり、戦闘シーンはやたらに派手なのに一番大事なところが事実と全く変えられていて興醒めします。

ちなみに「砲火の中へ」は朝鮮戦争中の学徒兵、「高地戦」は朝鮮戦争休戦間際の南北軍人の話です。

「シルミド」は1968(昭和43)年1月21日の北朝鮮特殊部隊による韓国大統領官邸襲撃事件をきっかけに組織された韓国軍の特殊部隊の話、「JSA」は板門店の共同警備区域での南北軍人の交流を描いたもの(設定された時代の順番に並べたので封切り順ではありません)。

それ以外にも朝鮮戦争を題材にした映画は何作かあるのですが、左翼臭が強く、そもそも観る気がしません。上に挙げた映画も例えば「高地戦」の場合、休戦が発表されて最前線で向き合っていた南北の兵士たちが安堵の中交流するのですが、「休戦期限までは作戦を続ける」と伝えられ再び戦ってほとんどが戦死するという「悲劇」です。実際は休戦の発表後には戦闘は行われていませんでした。そもそも休戦ラインが決まったから休戦になったわけで、それ以後戦闘しても仕方なかったのです。

少しは誉めておいた方が良いでしょう。1980(昭和55)年の映画で「風吹く良き日」というのがありました。1970年代、変貌するソウルを舞台に地方から上がってきた3人の青年たちの話で、今は大御所であるアン・ソンギがその1人として出演しています。様々な矛盾を抱えながら前向きに進んでいた70年代の韓国は、わずか3か月ですがソウルで過ごした自分の青春時代ともオーバーラップし、今でも想い出に残る作品です。

もう一つ、2008(平成20)年の映画で「クロッシング」というのがあります。これは日本でもDVDが売られているので手軽に観られると思います。脱北者の家族の悲劇を描いたもので、実際に証言を集め忠実に再現した作品。このあたりはぜひお勧めです。

好き嫌いを別にして韓国映画で羨ましいのは熱気が感じられること。史実に基づいた良い映画をぜひ作ってもらいたいと思う次第です。(了)